姿なき円なる道

明日の風

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よごと眠られぬあるじは
しゅうみんの亭主より
眠れる庭園のかじんの果実の
もてなしをうけ
泥のように深い眠りに堕ちた

知っている時は流れない
止まったままの無限
めざめの　めいきょうしすい

眠る前に垣間見た　　
花橘のからむ
垣根越しの路地のいおり
近づこうとすると　遠ざかるまを求め
遠ざかろうとすると　近づくまをもとめ
その時の今にかなう心を開き　
互いに敬いあう　清らかで　
動じない心　清浄無垢な　
姿なき円なる道

眠っているあいだに
知っている雲は流れない
止まったままの無限の大空

眠っているあいだに
知っている水は流れない
止まったままの
無限銀河のちょうずばち

眠っているあいだに
知っている大気は流れない
止まったままの無限うちゅう
ながれしきせきは
まばたきあうりゅうせいぐん

眠っているあいだに
知っている覚醒は
ながれない
止まったままの無限めざめの
すなどけい

眠っているあいだに
知っているものは流れない
止まったままの　徒労の情熱　　
無限に月の砂漠に井戸を掘る

眠りし事はとわを夢見ること
ゆめみしことはとわにねむること
ほのほの白く
ほのほの暗く
われいまだ　せいをしらず
いずくんぞ　しをしらん